この記事では、初心者が知っておきたい「釣りのマナー」について解説します。
自然の中でゆったりと過ごす釣りは、世代を問わず多くの人に愛される遊びです。
しかし近年では、マナーの悪さが原因で、釣り場が閉鎖されるケースも増えています。たとえば「ゴミの放置」「立ち入り禁止区域での釣り」「騒音トラブル」などです。
そこで、釣りを安全かつ快適に楽しむためのマナーを、初心者にも分かりやすく紹介します!

この記事を書いた人
F!ND編集部_コウイカ
現役マリーナスタッフであり、10年以上のマリーナ勤務歴がある。自身も釣りやが好きで、最近はジギングやエギングにハマっている。

この記事をチェックして、自分自身はもちろん周囲の人も気持ちよく釣りができるように実践してみましょう。
釣りのマナーとは?基本の考え方

釣りのマナーを一言でいえば「自然と人に対する思いやり」です。
釣り場は公共の場所や漁協の管理地がほとんどであり、自分だけの空間ではありません。だからこそ、他の釣り人や地元住民、自然環境への配慮が求められます。
釣りにおけるマナーの基本は、「他の人が不快に思う行動をしないこと」と「自分が来たときよりもキレイにして帰ること」です。
釣り場を利用する際は、自然を大切にして守っていくことや周囲の人への配慮を心掛けることを第一に考えましょう。
なぜ釣りのマナーを守ることが大切なのか
マナーを守ることは、単なる「マナーの良し悪し」ではなく、釣り場の未来を守る行動でもあります。
近年は、駐車マナーの悪さやゴミの放置が原因で、地元の漁協や自治体が釣りを禁止にするケースが増加中です。

ほんの一部の釣り人の行為が、他の釣り人全員に影響を与えてしまうこともあります。
また、マナーを守らないことが、事故やトラブルの原因になることもあります。たとえば、立入禁止区域での釣りをしていて海に転落したり、他の釣り人とトラブルになって警察沙汰になったりすることも考えられるでしょう。
マナーを守ることは、単に「周りのため」だけではなく、自分自身の安全や信頼を守るためにも大切なことです。
初心者がまず覚えておきたい「3つの心構え」
初心者こそ、最初に以下の「3つの心構え」を持ちましょう。
これさえ意識すれば、どんな釣り場でもトラブルを避け、気持ちよく楽しめます。
心構え①:自然と人に敬意を払う
釣りができることは、実は当たり前のことではありません。防波堤や港などでは、漁業関係者や地域の人たちが維持管理をしています。
釣りをする場合は「使わせてもらっている」という感謝の気持ちを持ち、来た時よりも美しくしてから帰ることを心がけましょう。
また、川や湖といった自然環境は、繊細なバランスで成り立っています。仕掛けやゴミを捨てるなどの行為は、環境を害するだけでなく、魚の生態系をも変えてしまう恐れがあることを理解しておかなければなりません。

「たとえ自分が捨てたものでなくても、落ちているゴミを拾う」といったことを、当たり前のように行うことが大切です。
心構え②:「自分だけ良ければいい」を捨てる
釣り場は自分だけのものではありません。良いポイントを独り占めしたり、他人の前に無理やり割り込んだりする行為は、釣り人同士の信頼を壊します。
特に、人気の釣りポイントでは、他の釣り人との距離感や譲り合いが重要です。お互いに気を使いながら竿を出し、釣り糸が絡まないよう配慮するなど、思いやりをもって釣りをしましょう。
心構え③:安全第一の意識を持つ
釣りはのんびり穏やかな時間を過ごせるイメージがあるかもしれません。
しかし、自然を相手にする以上「常に危険と隣り合わせである」ということを頭に入れておく必要があります。
防波堤からの転落、突然の強風、予想外の高波など、毎年事故が起きています。警察庁が発表している、全国の水難事故の発生件数は以下のとおりです。
(1) 全国の発生状況
令和6年の水難は、
○ 発生件数 1,535件 (前年対比+143件)
○ 水難者 1,753人 (前年対比+86人)
うち死者・行方不明者
816人 (前年対比+73人)
であった。
引用元:警察庁|令和6年における水難の概況等【PDF2ページ目】
1年間に1,500件以上の水難事故が発生し、約1,750人が被害に遭われています。釣りをする時は、ライフジャケットは必ず着用し、滑りにくい靴を履くなどの安全対策を心がけましょう。
また、危ないと思ったら行かない、すぐに釣りを止めて帰ることも安全対策のひとつ。さらに釣り仲間と声を掛け合いながら行動することで、事故を防ぐ確率は格段に上がります。
釣りに行く前に確認しておくべきこと
釣りに行く前の準備は、釣りの成果のためだけでなく、安全とマナーを守ることにもつながります。
釣りは自然を相手にするレジャーであるため、天候や潮の流れの変化、立入禁止区域の見落とし、装備不足など、ほんの小さな油断が大きなトラブルを招くことがあります。
ここでは、釣りに出かける前に確認しておくべきことについて解説をするので、しっかりとチェックしましょう。
「立入禁止区域」や「遊漁規則」を必ずチェックする

釣りはどこでも自由にできるわけではありません。港や堤防の一部、漁港内、漁業権が設定されている海域などには「立入禁止」や「釣り禁止」の表示があります。
これを無視して入ると、法律違反として処罰される場合があります。
多くの地域では、漁協が「遊漁規則」を定めており、下記のような細かいルールが存在します。
・釣ってはいけない魚種(例:産卵期のマダイ、サクラマスなど)
・サイズ制限(例:20cm以下はリリース義務)
・禁漁期間(例:4〜6月は採取禁止)
たとえば、静岡県の公式サイトを見てみると、漁業権に関する以下のような記載がありました。
共同漁業権が設定された場所で海の生き物を採捕する場合、漁業権対象種を採ると漁業権侵害により罰せられることがあります。漁業権漁業に対する操業妨害行為等があった場合も同様です。
引用元:静岡県公式ホームページ|静岡海区における漁業権漁業について
釣りに行く前には、自治体・漁協の公式サイトや現地看板を確認し、自分の釣りが合法かどうかを確認しましょう。
天候などの自然条件を確認する

自然相手の釣りでは、コンディションの変化が安全を左右します。
特に海釣りでは、波高1.5m以上の日には白波が立ち、海が荒れるため船釣りはもちろん、防波堤や磯、港での釣りは大変危険です。千葉県流山市では波浪注意報、警報の基準を以下のように定めています。
参考資料:千葉県流山市|Microsoft Word – 100126 発表基準(資料1添付).doc|2、3ページ目
- 波浪注意報:有義波高が東京湾 1.5m 以上と予想される場合。
- 波浪警報:有義波高が東京湾 3.0m 以上となると予想される場合。
テレビの天気予報や海専門の気象予報アプリの海天気.jpなどで、釣り場周辺の波の高さをチェックしておきましょう。
安全装備を準備する(ライフジャケットなど)

釣りをする際に最も気を付けておかなければならないことは、自分自身の命を守ることです。
海や川では、常に落水の危険がつきまといます。そのような状況下で、できるだけ安全に釣りを楽しむためには、ライフジャケットの着用を心がけておくことが大切です。
以下の引用文のとおり、平成30年より船に乗る際はライフジャケットの着用が義務化されています。
国土交通省では関係法令を改正し、平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化しました。
引用元:国土交通省|ライフジャケットの着用義務拡大国土交通省
そのため、船釣りでは、ライフジャケットの着用は多くの人が認識しています。しかし、防波堤や港では、ライフジャケットを着用せずに釣りをしている人が多いです。

防波堤や港で釣りをする場合のライフジャケットの着用は、義務ではありませんが、自分自身の命を守るためにも、必ず着用するようにしましょう。
また、釣り場は足元が悪いところも多く、滑って落水することも十分考えられます。なので、足元は釣り用の靴や滑り止めのついた動きやすいスニーカー、レインシューズを履くなどの安全対策をしておきましょう。
家族に「行き先」と「帰宅時間」を伝える
ひとりでの釣りは気楽でいいですが、事故発生時に発見が遅れるリスクがあります。もしものために備えて出発前に「どこで、何時まで釣るのか」を家族や友人に共有しておくことが重要です。
近年は、GoogleマップやLINEの「現在地共有」機能、スマートフォンの位置共有アプリを使えば、簡単に居場所を共有できます。位置情報を知られることが嫌な人もいるとは思いますが、ひとりで釣りをする時だけでも、近しい人と共有しておいてはいかがでしょうか。
釣り場で守るべきマナー
釣り場に到着した瞬間から、釣り人としての姿勢が問われます。気持ちよく釣りを楽しむためには、他人との距離感や環境への配慮、地域との関係を考えた行動が欠かせません。
小さな気遣いが釣り場の雰囲気を守り、釣り人全体の信頼につながります。ここでは、実際の釣り場で特にトラブルになりやすいポイントを、具体例とともに紹介します。
ほかの釣り人への配慮を忘れない(距離感・譲り合い)
釣り場は自分だけの空間ではありません。特に人気の釣りポイントでは、多くの人が釣りをしています。他の釣り人に迷惑をかけないようにするためには、「距離感」と「譲り合い」が大切です。
堤防や河口などで釣りをする場合は、釣り糸の絡みや竿の接触を防ぐために、竿3〜4本分(約5〜6m)は間隔をあけるのがマナーといわれています。
無理に割り込んだり、仕掛けを投げる方向が他の釣り人と重なるような行為はトラブルのもとになるので気を付けましょう。
もしもラインが絡んだ際は、決してイライラしてはいけません。「すみません」とお互いに声を掛け合える余裕を持ちましょう。

また、同じ場所に長時間居座ることも、マナーがいいとは言えません。他の釣り人がいる場合は、譲り合いながら釣りを楽しみましょう。
ゴミの持ち帰りを徹底する
釣り人のマナーが原因で釣り場が閉鎖されてしまうケースは全国で増えており、その多くがゴミ問題によるものです。
釣り糸やルアー、エサ容器、ペットボトル、レジ袋などの目立つゴミはもちろん、短い糸くずや針先キャップといった小さなゴミでさえ、自然環境に深刻な悪影響を及ぼします。

釣り針を誤飲した鳥が命を落としたり、ペットボトルの破片やプラスチック片が魚の消化器官に詰まって衰弱したりする例も報告されています。
釣り場のゴミは野生生物の命を奪う直接的な原因にもなります。こうした被害を目にした地域住民は不信感を持ち、釣り人に対するイメージが最悪に。
「苦情」→「管理強化」→「立入制限」→「釣り場が閉鎖に」という負の流れを引き起こします。
港湾・漁港・堤防を中心に、ゴミ放置が理由で釣り禁止になった場所が実際に増えている事実を、釣りをするのであれば真剣に受け止めなければなりません。
だからこそ、自分のゴミを必ず持ち帰ることは最低限のマナーです。さらに、来たときよりも美しくを心がけ、落ちているゴミをひとつ拾うなどの意識を持つと良いでしょう。

ゴミを持ち帰れるように。以下のような対策を徹底しましょう。
- ゴミ袋(スーパーの袋)や携帯用ポリ袋を常備しておく
- ゴミ袋が風で飛ばされないようにクーラーボックスに入れておく
大声で話したり音楽を流したりしない
釣り場は、自然の音や水の流れを感じながら静かに過ごせる場所です。仲間と話すことは楽しいとは思いますが、大声で騒いだりスピーカーで音楽を流したりすると、他の釣り人の迷惑になるだけでなく、魚が散ってしまうこともあります。
どうしても音楽が聞きたい場合は、音量を抑えてイヤホンを使うなど、周囲への配慮が大切です。小さな気遣いが、居心地の良い釣り場の雰囲気を守ります。
静かに釣りを楽しみたい人もいることを忘れずに、声の大きさやスピーカーでの音楽には十分気をつけましょう。
喫煙する際は周囲に配慮し、吸い殻は必ず持ち帰る
喫煙者は、自然の中で喫煙をしたくなる人も多いのではないでしょうか。しかし、釣りでの喫煙には、さまざまなことに注意をしなければなりません。
- 風向きや距離感に気をつける:煙が他の釣り人の方向へ流れると、不快な思いをさせてしまいます。風向きを考えて喫煙をしましょう。
- 携帯灰皿を用意する:釣り場には基本的に灰皿がありません。携帯灰皿を用意して吸い殻を絶対にポイ捨てしないことが鉄則です。
- 完全に消化する:紙タバコは火を消したつもりでも、十分に消えていないことがあります。火が消えたことをしっかりと確認しましょう。
- 指定場所で喫煙をする:喫煙は必ず指定場所で。近年は、喫煙に対するイメージがかなり悪いです。海や川だからといってどこでも喫煙していいわけではないことを理解しておきましょう。
駐車は指定場所に、迷惑駐車は絶対にしない
民家前の路上駐車や漁港作業スペースへの無断駐車は、地域住民や漁業関係者との深刻なトラブルを招きます。苦情から漁協が管理を強化し、釣り場自体が封鎖されるケースも全国で発生しています。
必ず指定された駐車スペースに車を停めましょう。駐車場がない場合は、近隣住民や車の通行の邪魔にならないところに駐車することが大切です。満車の場合は別の釣り場へ移動することも考えましょう。
釣り禁止区域には絶対に侵入しない
船の通行や漁業権の保護、足場の危険など、立入禁止や釣り禁止の場所には、禁止にしている理由があります。無断で入れば事故の原因になるだけでなく、違法行為として罰金や警察沙汰になることもあります。
「少しくらい大丈夫だろう」という気持ちは危険です。釣りをする前に、まず釣りをしていい場所かを確認し、ルールに従って安全に釣りを楽しみましょう。
実際に会ったトラブルや事故の例
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 静岡県御前崎の沖防波堤 | 2024年10月は、立ち入り禁止区域になっている沖の防波堤で釣りをしていた人が海に転落して死亡する事故が発生。 |
| 北海道小樽港の立ち入り禁止区域 | 2023年8月、立ち入り禁止区域で釣りをしていた男性が海に転落。助けようとした別の釣り人も転落する事故が発生。 |
| 富山県の沿岸部 | 2012年から2016年の5年間で、防波堤や岸壁からの転落事故が多数発生。そのうち8人が死亡または行方不明に。 |
| 大阪市大阪湾沿岸 | 2007年に、夜釣りをしていた人が防波堤から転落死。その後、大阪湾一帯を立ち入り禁止とする条例を制定 |
釣りのマナーは場所によっても大きく変わります。シーン別のマナーを知りたい方はこちらも参考にしてください。
知らないと危険!釣りでの事故を防ぐポイント
釣りは穏やかなレジャーに見えますが、毎年多くの事故が発生しています。特に磯や防波堤は、足場が不安定で予想以上に危険が潜む場所です。釣りを安全に楽しむためには、釣る前の準備と正しい状況判断が欠かせません。
ここからは、事故を防ぐために釣り人が意識しておくべきポイントを解説します。
できる限り複数人で釣りに行く

釣りは自然の中で楽しむレジャーですが、足場の崩れや急な体調不良、急な高波など、危険が突然訪れることがあります。特に海や磯場では、小さなミスが大きな事故につながることも珍しくありません。
そのため、できるだけ複数人で釣りに行くことが安全対策の基本です。仲間がいれば、落水などのトラブルがあった際に、すぐ助けを呼ぶなどの対応ができます。
また、複数人いることでお互いの体調や周囲の変化に気づきやすく、もしものことがあった時に冷静な判断が可能です。
釣り仲間と声をかけ合いながら行動するだけでリスクは大きく減ります。釣りを長く楽しむためにも、仲間同士で安全を確認し合うという意識を大切にしましょう。
滑落・転倒防止対策をする
釣り場の事故原因として多いのが、「滑って転ぶ」、「足場から落ちる」という基本的なものです。コンクリートの堤防は潮で濡れると大変滑りやすく、コケの付いた岩場では踏み込み方ひとつで転倒する危険があります。
滑落や転落を防ぐために以下の対策をしましょう。
- 滑り止め付きのシューズを履く(磯はスパイク、堤防はラバー素材のものが良い
- 足元を確認しながら移動する
- 両手をふさがないために荷物を持ちすぎない
- 夜間はライトで足元を確認しながら歩く
早く釣りをしたい気持ちはわかりますが、釣り場を移動する際は、足場や周囲を確認しながら、できるだけゆっくりと移動しましょう。
ライフジャケットは「桜マーク付き」を選ぶ
また、着用するライフジャケットは、国が認めた「桜マーク付き」を選ぶことが重要です。
桜マークのついたライフジャケットは、国土交通省が試験を行い、浮力や耐久性の基準を満たしているものにだけ付いています。

ちなみに小型船舶で着用する場合は、桜マークの付いたライフジャケットでなければ、着用義務違反となるので、注意が必要です。以下の国土交通省公式サイトにある、桜マーク付きライフジャケットに関する「よくある質問」を見てみましょう。
Q1, 小型船舶に乗船する場合には、安全基準に適合したライフジャケットを着用していなければ違反になりますか?
A1, 船長には、小型船舶の船室外に乗船するすべての者に対して、国の安全基準への適合が確認されたライフジャケットを着用させる義務があります。
したがって、小型船舶の乗船時に国の安全基準への適合が確認されたライフジャケットを着用させていない場合には、ライフジャケットの着用義務違反となり、違反点数が付与されます。
引用元:国土交通省|ライフジャケットの着用義務拡大|よくある問い合わせ
船釣りに限らず、釣りをする際には桜マーク付きのライフジャケットを着用しましょう。
夜釣りでのライトの使い方に注意する
夜釣りは、想像以上に視界が悪く、海や川までの距離間がわかりにくかったり、足元が見えにくかったりします。また、強力なライトを他人に向けてしまうと、視界を奪い大変危険なので、ライトは足元・手元・水面近くを照らすようにしましょう。
夜釣りで準備するもの
夜の釣りは暗くて危険なため、以下のアイテムを用意しましょう。
- ヘッドライト(白色+赤色がベスト)
- 予備の電池
- 手元用のサブライト(あるとなお良い)
夜釣りをする際は、ライトを持参するだけでなく、周囲の人の迷惑にならないような使い方を心がけましょう。

なお、ヘッドライトの色は「白色+赤色」がおすすめです!
ヘッドライトが白色+赤色が良い理由は?
① 赤色は夜間の視力を守る
人間の目は、暗い場所に慣れるまで時間がかかる。赤色ライトは光刺激が弱く、夜目を保ったまま手元作業ができるため、夜釣りで視界を失わずに済む。
② 魚を驚かせにくい
白色光は水中に強く拡散するため、魚を警戒させてしまいやすい。赤色光は水中で広がりにくく、魚に気付かれにくいため、釣果への影響が少ない。
③ 周囲の釣り人にまぶしくない
夜の釣り場で白色光を他人の顔に当てると、強い不快感や安全トラブルにつながる。赤色ライトはまぶしさを抑えられるので、周囲への配慮としても最適。
④ 手元作業に最適
ハリ結びや仕掛け交換、ライン処理など、細かな作業は赤色光のほうが落ち着いて見えると感じる人が多い。ただし、足場確認や移動時は白色光が必要なので、両方使えるライトがベスト。
自然と共に釣りを楽しむためには?

釣りは自然の恵みをいただきながら楽しむ特別なレジャーです。だからこそ、 魚を釣るだけではなく、自然そのものに敬意を払い、環境を守る姿勢が欠かせません。
豊かな釣り場を残すためには、釣り人一人ひとりが、資源や生態系を大切にする意識と行動を持つことが求められます。ここでは、自然と共に釣りを楽しむための大切なポイントを紹介します。
釣った魚の扱い方を覚える
釣りは魚の命をいただく行為です。だからこそ「釣った魚の命を無駄にしないこと」は釣り人の基本。狙っていない魚やまだ小さなサイズの魚は、できるだけダメージを少なくして速やかにリリースしましょう。
リリースするときは、魚への負担を減らすことが大切です。水面から長く出さず、濡れた手やリリース用ネットを使って触れることで、魚の体力の消費を軽減できます。

乾いた手で触ると、魚の粘膜が剥がれて弱ってしまい、リリース後に死んでしまうことがあるので、注意が必要です。
また、針が深く刺さってしまった場合は、無理に引き抜かず、フィッシングプライヤー(※画像)を使って丁寧に針を外すなど、できるだけ魚に負担をかけないようにしましょう。
釣った魚を持ち帰る場合は、血抜きをしっかり行い、氷や保冷剤で冷やしながらクーラーボックスに入れておくことで、家に着くまで鮮度を保てます。直射日光を避けるなど、ちょっとした工夫で魚の品質は大きく変わります。

魚の命をいただく以上、最後まで責任を持つことが釣り人の礼儀であり、自然への感謝の気持ちです。
持ち帰れる分だけを釣ることを心がけましょう。
釣り場を来たときよりもきれいにする
自分のゴミを持ち帰るのは最低限のマナーですが、それに加えて、釣り場に落ちている糸くずやパッケージをひとつ拾うだけでも、環境は少しずつ良くなります。
風や波で流されて、海岸にゴミのかたまりが流れ着いている光景をみたことがある人も多いのではないでしょうか。釣り糸やルアー、ペットボトルなどのゴミは、分解されず長い時間海や川に残り続けます。

自然は簡単には元に戻りません。だからこそ、釣り人一人ひとりが少しずつ気を配ることが大切です。
次に釣りに来る人や、これから釣りを始める子どもたちのためにも、気づいたゴミを一つ拾うという習慣を持ちましょう。
釣り人が自然を守ることを意識しておく
ゴミや釣りのマナーだけでなく、外来魚の放流や密漁、産卵期の過剰な釣りなど、釣りに関する問題はたくさんあります。これらは自然環境を傷つけるだけでなく、地域の漁業者や釣り人全体の信頼を損ない、結果として釣り文化そのもののイメージを下げる行為です。
釣り場を未来へつなぐためには、まず基本となるルールを守ることが大切です。
- サイズ・数量制限を守る:未成熟の魚を持ち帰らないことで、魚が安定して育ちます。各地域の規則に沿って判断しましょう。
- 外来魚はルールに従って管理する:捕獲が義務づけられている種(例:ブラックバス・ブルーギルなど)は、地域の指示に従って処理します。無断でリリースすると生態系に影響を与えることがあります。
- 禁漁期間を守る:産卵期は、釣りを控えるエリアや釣りができない期間が決められています。禁漁期間は絶対に釣りをしないようにしましょう。
上記のルールは、釣り人を縛るためのものではなく、これからもその場所で釣りができるようにするための仕組みです。ルールを守りながら、自分にできることを丁寧に続ける。それが結果として、釣りを長く楽しめる環境につながります。
マナーを守って釣りを楽しもう
釣りは魚を釣って終わりのレジャーではありません。自然に触れ、ゆっくりとした時間を過ごし、季節の変化を感じながら、リラックスする時間でもあります。
気持ちの良い環境が保たれているのは、そこを利用する人たちや管理をしている人たちが自然や周囲に配慮しているからです。
安全に気を配りながら環境を大切にし、周りの人へさりげない思いやりを持って過ごすことで、釣りはより豊かな体験になります。釣れた魚の数だけでなく、帰り道に「今日も気持ちよく過ごせた」と思えることこそ、釣りの醍醐味です。
ゴミを持ち帰ることや他の釣り人と場所を譲り合うこと、危険を避けることなどを心がけながら釣りライフを楽しみましょう。





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