WEBライターはやめとけ?1年間働いて分かった実態

WEBライター
パソコンと人の手

私は「経験ゼロ・知識ゼロ・顧客ゼロ」で、いきなり会社を辞めてWEBライターを始めました。

本記事では、私がWEBライターとして過ごした1年の経験をもとに、WEBライターの現実をお伝えします。

「WEBライターはやめとけ」と言われる理由

私がWEBライターとして働くなかで感じた、「WEBライターの大変さ」をご紹介します。

「WEBライターはやめとけ」の理由① 仕事がもらえない

まず、WEBライター初心者・未経験者は仕事がもらえません。正確に言うと「まともな仕事」がもらえません。

「まともな仕事」とは、「文字単価1円以上」のような、頑張れば時給換算で最低賃金に届くレベルの仕事です。

このような案件は、WEBライティングの実績がある人や、資格や経歴がある人(たとえば「不動産業界で3年以上勤務」のような経験)でないと、なかなか受かりません。そもそも募集条件に「経験者のみ」「有資格者のみ」と書いてあることが多いです。

仮に「初心者・未経験者OK」とあっても、応募しても無視され、テストライティングすら受けられないなんてことがザラにあります。

文字単価1円以上の案件になるとライティング経験者も多数応募してきます。発注者からすれば、わざわざお金を出して初心者を選ぶ必要がないのです。

では、初心者にはどんな仕事が待っているか。それが次の見出しです。

「WEBライターはやめとけ」の理由② 単価が安すぎるブラック案件が多い

初心者でも受かる仕事とは、

・1件あたり10円のアンケート

・3,000文字×10本納品して、報酬が3000円。(文字単価0.1円)

こういった単価の安い、いわゆるブラックな案件です。

ライティング初心者の人が3,000文字書くのにどれくらいかかると思いますか?

ブログで自分な好きなことを書くのとはワケが違います。指定されたキーワードに沿って文章を考えたり、執筆マニュアルと照らし合わせてチェックしたりしていると、おそらく早くても3~4時間はかかるでしょう。

ということは、10本納品するのに30~40時間かかります。報酬を時給に換算すると100円ほどです。

現代の日本でそんな労働条件が存在するのかと驚きませんか?ですが実際、こういう案件は探せばいくらでも出てきます。

こういった案件は、「実績になります!」「ライティングが学べます!」といった、それらしい文言とともに募集されています。このような場合の多くは、発注者はライターにクオリティを期待していません。とにかく安い労働力を集めようと考えているでしょう。

それでも、「実績・経験が無ければ仕事がもらえない」ことを知った初心者ライターたちは、泣く泣くこういったブラック案件を受けることになるのです。

ただし、発注者の気持ちも分からなくはありません。

WEBライターは参入障壁が低いため、文章のクオリティが著しく低い人や、まともなコミュニケーションを取れないような人がたくさん仕事に応募してきます。

そういった人達に、イチから仕事の進め方や文章の書き方を教えるとなると、かなり手間がかかります。「むしろお金を払ってほしいくらい」と考える人もいるかもしれません。

「WEBライターはやめとけ」の理由③ 常に頭を使う

文章を書いているときは、常に頭を使います。

特にWEBライティングでは、「読みやすく・分かりやすく・読者の役に立つ文章」を書く必要があります。

そのうえ、クライアントごとに執筆マニュアルが用意されており、

・「例えば」は「たとえば」とひらがなで表記する

・「~ます。~ます。」のように、同じ文末表現を2回以上連続で使わない。

など、細かく表記方法が決められています。また、見出しごとに文字数の制限が設けられていることも多いです。

こういったマニュアルやルールを守りながら「読みやすく・分かりやすく・読者の役に立つ文章」を書こうとすると、一文一文書くのにかなり慎重になり、頭を使います。

私の会社員時代も、「企画書の作成」や「クライアントとの打ち合わせ」など、頭を使うことは多くありました。しかし、それはあくまでその場のワンシーンという感じでした。

WEBライターになってからは常に考えながら仕事をしています。上司や先輩に気を遣わなくてよいのは気が楽ですが、ずっと頭を使い続けるのはけっこうしんどいです。一度休憩すると、なかなか作業に戻れないこともよくあります。

「余計な気を遣わなくて済むが、そのぶん頭を使いまくる」それが、WEBライティングの仕事だと感じています。

「WEBライターはやめとけ」の理由④ 孤独な作業が続く

WEBライターの仕事は、ずっと一人です。

もちろん、打ち合わせなどで担当者と話すこともありますが、基本的にはすべての作業を一人で黙々と進めます。

「一人のほうが気が楽なのでは?」そう考える人もいるでしょう。

私も会社員時代はそう考えていました。

しかし、「一人になれる時間があること」と「ずっと一人でいること」は全く違います。

記事の執筆中、誰もあなたを怒りませんが、褒められることもありません。「今日帰りに飲み行かない?」なんて声がかかることもないでしょう。

スケジュールの管理も、モチベーションの維持も、すべてを自分一人で行う必要があります。

そんな環境でずっと一人で作業を続けていると、世界に一人だけ取り残されたような感覚になることがあります。「何が楽しくて働いているんだ」と。

自分の動かし方、自分の楽しませ方を知っている人でないと、WEBライターを継続していくことは難しいかもしれません。

向いている人は?WEBライターをやってみて感じたギャップ

ここではWEBライターとして働いて感じたギャップをご紹介します。

ギャップ① 「文章力」よりも「経験」が重要

WEBライターに一番大切なことは「文章力」だと思っていませんか?私はそう考えていました。

しかしWEBライターとして働いてみて、文章力よりも「経験」が重要だと思うようになりました。WEBライティングの経験という意味ではなく、特定の分野や業界における「経験」です。

「金融業界、特に投資業界での勤務経験が3年以上ある方」

「WEBマーケティングの知識がある方」

「SNSを運用した実績がある方」

クラウドソーシングなどで仕事の募集を見ていると、こういった応募条件をよく見かけます。

文章力は練習すれば誰でも身につけられます。読みやすい文章・分かりやすい文章を書くのにはコツがあり、多くの書籍や動画などで体系化されているからです。

しかし、上記で例にあげたような経験は、そう簡単には身につけられません。だからこそ、その経験が文章の価値を生み、人の役に立つコンテンツを作り出すのです。

ネットで何かを調べるとき、誰でも知っているような事実を並べた素人の記事を参考にしようと思いますか?

おそらく、その分野で多くの実績があり、専門知識を持った人が書いた記事を参考にしようとするはずです。

そしてこのことは、GoogleのSEOにおいても重視されています。「専門性」や「独自性」がある記事が上位に表示されるように、アルゴリズムがつくられているのです。

となると発注者は当然、専門的な記事を書ける人を採用しようとします。単に文章を書く作業員としてではなく、その人の経験も買おうとするので、記事の単価を高く設定するのです。

WEBライターを目指す人は、まず「自分の得意分野が何なのか(そもそもあるのか)」「その分野でライティングの仕事の募集はあるのか」ということを考えておく必要があります。

ギャップ② WEBライターは泥臭い仕事

「WEBライター」ってスマートな感じがしませんか?

カフェなどで優雅にパソコンを叩いて収入を稼ぐ、そんなイメージですよね。

もちろんそのイメージは間違っていません。ただし、画面の中で行われているのは、意外と「泥臭い」仕事です。

まず、記事を書くにはリサーチが必要になります。

競合サイトのGoogle検索順位上位10~20サイトを総当たりで調べたり、紹介する会社やサービスのホームページを隅から隅まで調べたりします。一つの記事を書くのに、参考サイトのお気に入り登録が20~30件になることも少なくありません。

また、肝心の文章の執筆についても「流れ作業のような仕事」になる場合が多いです。

クライアントごとに執筆マニュアルや、記事の「型」が細かく決められており、それに沿ってひたすら文章を大量生産することがあります。イメージとしては工場のライン作業で、次から次へと流れてくる部品を組み立てて商品を作り続けているような感じでしょうか。

ライティングの仕事はほとんどが文字数や記事数に対する歩合制で、固定給はありません。収入を得るためには文章を書き続ける必要があるのです。

WEBライターに対してクリエイティブなイメージを強く持っていると、この現実にがっかりするかもしれません。

ギャップ③ 「完璧主義」が邪魔をする

ネットでWEBライターのことを調べると、向いている人・向いていない人の特徴が出てくると思います。

向いていない人の特徴として、「文章が苦手な人」「時間にルーズな人」といろいろ紹介されていますよね。

私が実際にWEBライターをやってみて感じたのは、「完璧主義の人」は意外と向いていないということです。周りから見て完璧ならまだいいのですが、問題は「独りよがりの完璧主義」です。

つまり、妙なこだわりが強く、人があまり気にしていないような部分まで長時間考えこんで、なかなか前に進めないような人のことです。

正直、私はかなりその傾向があると思います。自分が納得できる文章になるまで、何度も同じ場所を修正したり、考え込んで長時間手が止まったりするのです。WEBライターを始めた頃は、たかが200文字程度の文章に1~2時間かけることもありました…。

これはWEBライターにとって死活問題です。記事の質はもちろん大切ですが、それなりの収入を得ようと思えば、ある程度のスピードで文章を量産しないといけません。

発注者としても100点の文章は求めていませんし、そもそも文章に100点や正解は存在しません。納期を守り、執筆マニュアルを守り、キーワードや構成に従って文章を書いてもらえれば、それで充分なんです。

それに、どれだけ時間をかけて文章を書いたところで、ほとんどの場合に修正指示が入ります。自分の中で完璧だと思った文章を修正するのは、プライドが傷つき、イライラしてしまうものです。

マニュアルは100%守りながら、自分のこだわりは70%程度にとどめる。

つまり、ある程度考えた後は「まぁこれでいっか」と思えることも大切なWEBライターの素質と言えるでしょう。

「いきなりWEBライター」は絶対にやめとけ

私は新卒で入った会社を2年半で辞めました。毎日同じ職場へ出社し、パワハラ気質な上司の機嫌を伺いながら仕事をすることに疲れてしまったからです。

そこで私が目をつけたのがWEBライターでした。「好きな場所で、好きな時間に働ける」なんて夢のような仕事だと思いました。もともと国語は成績がよく、文章を書くのも嫌いではありませんでした。

「未経験からいきなり独立はヤバイ」

周りから何度も言われましたし、もちろん自分でも分かっていました。しかし、とにかく自由な働き方への憧れが強く、すぐに会社を辞めてしまいました。

そこからの1年はひどいものでした。

顧客もツテもないので、仕事をもらうアテがありません。クラウドワークスで仕事に応募するものの、まったく受からない。そもそも返事すら返ってこない。実績が必要であると考えブログを作成しますが、1記事書くのに1週間もかかる始末。

「どんな仕事に応募しようか」「どんなブログを書こうか」グルグルと考えていると手が動かなくなり、気が付くとテレビやYouTubeを何時間もボーっと見ている。そんな毎日が続きました。

もともと少なかった貯金は底をつき、ウーバーイーツで配達をしてなんとか日々の収入をまかなう状況が続きます。一日三食納豆とご飯だけという日がほとんどで、遊びに誘ってくれた友達を「お金がないからごめん」と何回断ったか分かりません。

WEBライターはやめとけ?いえ、挑戦する価値のある素敵な仕事です

ここまでWEBライターのつらい現実を紹介してきました。

それでも私は、WEBライターは挑戦する価値がある、良い仕事だと思います。

その理由は2つあります。

1つは、自分が書いた文章という「作品」が、ネットに残ること。

記事を書くときは、読者の役に立つ文章にするために、頭を絞って必死に考えます。読みやすく分かりやすくなるよう、一言一句に気を使いながら文章を作り上げていくのです。

そんな風にしてできあがった記事は、一種の「作品」であると考えています。

もし今日自分が死んでも、自分がつくった作品は明日もこの世に残り、どこかの誰かの役に立つ。

これって素敵なことだと思いませんか?笑

理由の2つ目は、「WEBライティング」というスキルが、さまざまな場面で活用できることです。

特にネットビジネスをやろうと思っている人にとっては、非常に重要なスキルになるでしょう。

例えば、ブログ記事はもちろんのこと、

・SNS運用での、プロフィール作成や日々のつぶやき

・せどりや物販で物を売るための、商品の紹介文章

・YouTubeのサムネイルに入れる、キャッチコピー など

いろいろな場面で、「文章を書く力」というのは役立ちます。WEBライターになるかどうかはさておき、「WEBライティング」は全員に学んでほしいスキルです。あなたの発信力や、人を惹きつける力を、間違いなく強くしてくれます。

「WEBライターはやめとけ」まとめ

私が考える「WEBライターはやめとけ」と言われている理由

  • 仕事がもらえない
  • 単価が安すぎるブラック案件が多い
  • 常に頭を使う
  • 孤独な作業が続く

WEBライターとして働いて感じた「ギャップ」

  • 「文章力」よりも「経験」が重要
  • WEBライターは泥臭い仕事
  • 「完璧主義」が邪魔をする

この記事を読んでも、「WEBライターになりたいという意思が変わらなかった」という人は、ぜひぜひ挑戦してみてください。

結局のところ誰に何を言われても、自分でやってみないと腑に落ちないものです。

挑戦するあなたを心から応援しています。一緒に頑張りましょう!

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