FP3級とは|難易度や勉強方法、メリットを合格者が解説

ファイナンス

FP3級ってどんな資格?

FP3級は正式には「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」といい、厚生労働省指定の国家資格です。(※民間のFP資格であるCFP・AFPも存在します。別記事を参照。)

試験に合格すると、上記の合格証書が自宅に郵送されます。

ファイナンシャル・プランニング技能士は、保険や税金、不動産など(※)、お金に関して幅広い知識を持つ、“お金のエキスパート”とされており、クライアントの人生設計や資産に応じた貯蓄・投資プランの立案や相談などを行います。

技能の程度に合わせて1~3級まで設けられており、
3級では「国の年金制度の基本的な枠組み」「保険商品の分類とそれぞれの特徴」「所得税の種類」など、お金に関する各分野において基礎的な知識を身に付けることが求められます。

(※)正確には下記の6分野について学びます。

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用
  4. タックスプランニング
  5. 不動産
  6. 相続・事業承継

FP3級試験の難易度は高くないが…油断は禁物!

FP3級を取得する為には学科試験実技試験の両方に合格する必要があります。
しかしどちらもマークシート方式の筆記試験で、合格ラインも6割と低めに設定されているので難易度はそこまで高くありません。問われるのも前述のとおり基礎的な知識が多いです。

実際ネットなどで「FP3級 難易度」などと調べてみると、“簡単な試験”だと紹介されていることが多いかと思います。

しかし、油断は禁物です
筆者はAmazonで購入した参考書を使って勉強をしました。

結果は見事合格。しかし….

結果は42点。(36点が合格ラインなので予想よりもギリギリでした….)

『8割は余裕で超えるだろう』と試験前に高を括っていたので、この結果は少しショックでした…。

原因は「予想以上に幅広く知識が問われた」ことです。

筆者は勉強する際に、重要度や出題確率の高いものだけを集中的に勉強していました。

結果的にはこのポイントを抑えていたことが合格ラインを超えた要因だと思いますが、
参考書で重要度が比較的低いとされていたものも、かなり出題されていたので高得点とはなりませんでした。

合格率の高い試験とはいえ、なめてかからないようにしましょう!

FP3級の試験勉強のポイントは?

【試験勉強のポイント】

  1. 公式テキストを使って勉強する。
  2. 問題をたくさん解く。
  3. “広く浅く”勉強する。

FP3級の勉強方法1.公式テキストを使って勉強する。

テキストは、試験を実施している「きんざい(金融財政事情研究会)」が出している公式テキストを使うことをおすすめします。

※画像は2級FP技能士用のものです。

試験問題を作っている機関がつくったテキストなので、「内容をしっかり記憶すれば、試験に合格できる」という安心感があります。

FPに限らず、初めて勉強をする分野では、勉強のやり方や内容が合っているか不安になりがちですので、この点は大きいと思います。

また情報量が豊富で、過去数年分の試験の出題傾向なども掲載されています。

各項目ごとに細かく出題の有無が記載されています。

FP3級の勉強方法2.問題をたくさん解く。

問題をたくさん解いて、出題形式や出題傾向など“問題のクセ”に慣れておくことが重要です。

FP3級の学科試験では
○か✕で答える正誤問題や、複数の選択肢から正しいものを選ぶ択一問題が出題されます。

一見正しいと思える選択肢が、注意深く読むと一部だけ間違っているような“ひっかけ問題”もたくさんあります。

また実技試験では、
最初に資料が提示され、一つの資料に対して3問ずつ問題が出題されます。資料を読み違えてしまうと3問全て不正解になってしまう恐れもあります。

画像は不動産に関する問題の資料。土地の面積など計算に必要な情報が載っています。

問題をたくさん解くことで、上記のような問題のクセにも慣れて、スムーズに解けるようになります。

また、その後テキストを使って勉強するときも、実際の出題形式をイメージできるようになるので、よりポイントを絞った効率的な勉強ができるようになります。

FP3級の勉強方法3.“広く浅く”勉強する

「浅く」というのは、「軽く目を通せばいい」という訳ではありません。

重要な項目についてはもちろんしっかりと覚えないといけないですが、
一つの項目をオタクレベルに完璧にしようとするのではなく、

基礎知識を押さえたらどんどん次の項目を学んでいくことが重要です。

なぜなら、FP3級はお金の専門知識としては基礎的なレベルですが、事前に触れていないとさっぱり分からない項目も多いからです。

例えば株式投資の分野において、

「日経平均株価」や「株主総会」
といったワードはニュースでもよく耳にすることが多いので、FPの勉強をしていなくてもなんとなくイメージがつきそうですが…

「PER(株価収益率)」「PBR(株価純資産倍率)」などは、
投資に興味がある人でなければ、
さっぱり分からないという人がほとんどではないでしょうか。

問題を見た時に、何のことかさえ分からないとなると、勘で答えるしかありません。

前述のとおりFP3級で問われるのは基礎的な知識なので、
何度か目を通して知識に触れておくだけでも正解できる可能性は高くなります

幅広く勉強することを心がけましょう。

FP3級を取得して分かったメリット

【FP3級を取得するメリット】

何をメリットと感じるかは人によって様々だと思いますが、
私は特に以下の2つがメリットと感じました。

  1. 実生活に活かせる
  2. 色々な資格のスタートラインに立てる

FP3級 取得のメリット1.実生活に活かせる

FP3級で学ぶのは、実生活に密接に関わるお金の知識がとても多いです。

たとえば、
金融資産運用の分野で投資について学んだ時に興味を持ち、資格の取得後に知識を活かして実際につみたてNISAで投資信託を始めました。

毎月積立をして、少しずつ利益が出ています。

また前職の会社を退職するときも、年金や健康保険制度について知識があったので、退職に伴う切り替え手続きをスムーズに行うことができました。

星の数ほどある保険商品についても、“自分にとって本当に必要なものは?”と、冷静な目で見ることができます。

生活をしていると、何をするにもお金が密接に関わってきます。
お金についての知識を身に付けておいて損はありません。

FP3級 取得のメリット2.色々な資格のスタートラインに立てる

前述のとおり、FP3級では下記の6つの分野にわたり幅広い知識に触れることができます。

そしてこの各分野には、より専門的な資格が存在します。

例えば、

金融資産運用なら、→ 証券アナリスト、投資診断士
タックスプランニングなら、→ 税理士
不動産なら、→ 宅建士、不動産鑑定士

といった感じです。
専門性の高い資格になれば、より仕事・収入につながりやすくなります。

転職や独立などを考える人はFP技能士とのダブルライセンスもよいでしょう。

いずれにしても上記のような専門資格の学習範囲と、FP技能士の学習範囲は被る部分があるため、ゼロからスタートするよりも理解しやすいと思います。

幅広く学ぶからこそ、その後の可能性も幅広くなるというのがFPのいいところですね。

FP3級ってどんな資格?まとめ

  • ファイナンシャル・プランニング技能士は、保険や税金、不動産など、お金に関して幅広い知識を持つ、“お金のエキスパート”
  • クライアントの人生設計や資産に応じた貯蓄・投資プランの立案や相談などを行う。
  • FP3級の勉強は、「公式テキストを使う」「問題をたくさん解く」「広く浅く学習する」ことが大切
  • FP3級取得のメリットは、「実生活に活かせる」「色々な資格のスタートラインに立てる」こと。

以上FP3級について解説しました。記事を読んで興味を持ってくださった方は是非チャレンジしてみてくださいね。

FP3級の試験は、厚生労働省指定の機関である下記のいずれかで受験できます。
日本FP協会
一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい) 
試験の日程や、受験の申し込み方法については公式ホームページよりご確認ください。

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